研究課題
基盤研究(C)
Diels-Alder反応は、ジエン(4π成分)と求ジエン体(2π成分)との[4+2]環化付加により六員環化合物を与える反応であり、有機合成化学上最も重要な反応に位置づけられる。今回、ナフタレンやチオフェンのような芳香環をジエンとして直接利用する不活性アルキンとの脱芳香族的Diels-Alder反応を開発した。
有機化学
芳香環をジエンとして直接利用する脱芳香族的 Diels-Alder反応は、多環式化合物を合成する上で魅力的な手法である。しかし、芳香環が有する高い芳香族安定化エネルギーを乗り越える脱芳香族的反応は一般的に難しいため、ジエンとして利用可能な芳香環は高反応性のものに限定される。今回、低反応性芳香環であるがゆえ利用例が少ないナフタレンやチオフェンをジエンとして用いる不活性アルキンとの脱芳香族的Diels-Alder反応を開発することに成功した。