各種がん細胞におけるAm80とエピジェネティック阻害剤の併用効果を検討し、その結果、ClassIIbに属するHDACiが併用に効果を示すことを明らかにした。これよりClassIIbのHDAC6のターゲットの一つであるHSP90はアセチル化が亢進し、RARαのシャペロンとして親和性を示しているHSP90はRARαと解離し、結果として核移行を制御していることが示唆された。さらにRARαの核移行制御が固形がん以外の細胞種やスフェロイドなどの培養条件においても共通の制御が行われているか検討を進め、いくつかの条件下では二剤の併用効果およびRAR核移行の制御は通常の2次元培養より顕著になることがわかった。
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