本研究では、低環境負荷・省エネルギー触媒プロセスからなるラジカルカスケード反応を基盤として多環分子骨格の新たな構築法を開発するとともに、魅力的な創薬資源として注目を集める生物活性天然物の人工的創製に挑んだ。その結果、1)可視光励起触媒が駆動するラジカル種の連続変換(カスケード反応)を鍵として抗ウイルス活性海洋産天然物 hamigeran B の形式的全合成に成功した。2)キノン-ヒドロキノンレドックス条件下での触媒的ベンゾフラン形成反応を見出すとともに、本反応に基づくホスファチジルイノシトール3-キナーゼα(PI3Kα)阻害活性物質 liphagal の新規全合成経路の開拓に成功した。
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