Luminamicinは他の天然物にない無水マレイン酸に共役したエノールエーテルを含む14員環ラクトンに加え、酸素架橋構造含有シスデカリン骨格と三置換オレフィン含有10員環ラクトンがそれぞれ縮環した特異な構造を有していることから、有機合成化学の観点からも魅力的なターゲットである。本テーマではその全合成経路の確立を目的に研究を行った結果、市販の出発原料から全合成の鍵中間体の合成を完了した後、 Luminamicin生産菌の大量培養から天然物を取得したのち、分解反応によって全合成鍵中間体を調製した。そしてその鍵中間体から天然物骨格の再構築を行うことでLuminamicinのリレー全合成を達成した。
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