本研究代表者が見出した、新規蛍光団・2-アミノキナゾリン誘導体の蛍光特性の解明とその応用利用を検討した。Gaussian 16を用いた理論計算による励起状態の解析を行った。ピリミジン部の2位にジピコリル基を導入した誘導体は、銅イオンに応答し、消光した。本金属錯体は、二リン酸、三リン酸類に応答し、蛍光の回復が観察されたが、モノリン酸類には応答しなかった。シクロデキストリンと組わせることで、ATPを選択的に多点認識することが分かった。溶液の液性に反応して、蛍光応答するキナゾリン類も発見した。キナゾリン環状の置換基の種類により、酸性で蛍光するもの、塩基性で蛍光するものを造り分けることができた。
|