本研究では、非小細胞肺がんの薬剤耐性に着目し、anaplastic lymphoma kinase(ALK)遺伝子変異に伴う分子標的薬剤の応答性変化をコンピューター上で予測する方法論を開発・実装した。 3種類のALK阻害薬(クリゾチニブ、アレクチニブ、セリチニブ) を対象に、ALK変異体-阻害剤複合体(180変異体×3薬剤)の分子動力学(MD)シミュレーション及び薬剤の結合自由エネルギー計算を実施し、3種の薬剤全てに対して結合親和性が低下した変異体3種を多剤耐性変異体候補として抽出した。これらの変異体の薬剤応答性を実験的に測定したところ、2種類の変異体で実際に全ての薬剤の応答性が低下した。
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