難治性呼吸器疾患である肺がん及び肺線維症の治療を指向したDDSを構築することで、現在使用されている治療薬をより安全に、より有効に用いた治療可能性を見出すことができる。また、これまでin vivoで十分な効果が得られなかった治療薬候補化合物の再開発が可能となり、QOLの低い難治性呼吸器疾患の治療ツールとして大変意義深いものである。さらに、呼吸器疾患以外においても細胞外マトリックスなどの線維組織の存在により、薬物の到達不足が問題になる例が散見されている。したがって、線維組織による薬物送達障壁を克服する本研究は、呼吸器疾患のみならず幅広い疾患におけるDDS構築に新概念を提唱することを可能とする。
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