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2019 年度 実施状況報告書

次世代HIV治療戦略構築への展開を目指したNER機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K06628
研究機関熊本大学

研究代表者

高宗 暢暁  熊本大学, 熊本創生推進機構, 准教授 (60322749)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードHIV
研究実績の概要

Human immunodeficiency virus (HIV) はヒトのCD4陽性T細胞等に感染し、自身のゲノムを宿主ゲノムに組込む。潜伏化したHIV感染メモリーT細胞等を排除するためには、現行の抗HIV療法を70年以上継続する必要があるとされ事実上不可能である。元来、宿主生物は自然免疫・獲得免疫等の免疫機能によりウイルス感染を排除する機能を有している。一部のウイルスは進化の過程で宿主免疫を回避する能力を獲得し、病原性を現す結果となった。
Nefはエイズの原因ウイルスHIVの病原性タンパク質である。代表者らはNef mRNAの5’非翻訳領域 (UTR)にNefの効率的な発現に必要となるNef-expression essential region (NER)の存在を明らかにした。しかしその詳細な分子メカニズムは不明なままある。本研究の目的は、(1) NERを介したNef発現に関わる分子群を同定し詳細なNef発現メカニズム(NER機構)を解明すること、(2)NER機構に基づく薬学的なNef発現阻害法の開発のための基礎研究を行うことである。
現在、世界的なHIV cure研究の潮流の中、代表者の掲げる将来ビジョンは、HIV cure療法の効率を向上させるHIV遺伝子発現をモジュレートする方法の開発であり、本課題によりその基礎的知見を得ることを目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

阻害剤ライブラリを利用し、NER機能と関連する分子群を探索中で、ライブラリの中からいくつかのNERに関係する化合物の候補を見出した。見出した阻害剤はある細胞性リン酸化酵素を阻害するが、野生型のNef mRNAからのNef発現を亢進するが、Nefの低発現性を示すNER変異導入Nef mRNAにおいては、Nefの発現亢進の感受性が有意に低いものであった。この結果から、この細胞性リン酸化酵素並びにリン酸化を受けるタンパク質はNERを介したNef発現機構に関与している可能性があると考え、現在その詳細を調べている。NERを介したNef発現機構解明が概ね進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

(1) NERを介したNef発現に関わる分子群を同定し詳細なNef発現メカニズム(NER機構)を解明を進める。
(2)見出したあるリン酸化酵素阻害剤を契機とし、関係するリン酸化酵素を阻害する化合物、構造類似の化合物等のNef発現に与える影響を検討し、NER機構に基づく薬学的なNef発現阻害法の開発のための基礎研究を行う。

次年度使用額が生じた理由

計画的かつ効率的な研究を遂行した結果である。翌年度には計画をより発展させる研究計画を追加し遂行する。

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公開日: 2021-01-27  

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