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2021 年度 実績報告書

ROS感知機構BAG-1/ATF4システムはフェロトーシスの制御システムか?

研究課題

研究課題/領域番号 18K06630
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

久下 周佐  東北医科薬科大学, 薬学部, 教授 (50186376)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードBAG-1 / ROS感知 / xCT / SLC7A11 / フェロトーシス
研究実績の概要

鉄イオン依存的な細胞死(フェロトーシス)の制御はがん細胞の生存戦略となるため、新たな抗がん剤のターゲットになる恒常性維持機構である。フェロトーシスは、細胞内還元型グルタチオン(GSH)のレベルにより抑制される。細胞内GSH濃度の維持するためにシスチントランスポーター(xCT)により細胞外のシスチンを細胞内に取り込みが必要であることことからxCTを抑制するとフェロトーシスが誘導される。
申請者らは、これまでに、HSC70/HSP70のコシャペロンであるBAG-1がヒト細胞の酸化ストレス抵抗性に必要であることを見出してきた。本研究では、BAG-1のノックアウト(KO)がxCT阻害剤Erastinに感受性となることを見出した。BAG-1 KO によるErastin感受性は、鉄のキレート剤であるDeferoxamine mesylate、フェロトーシス阻害剤であるFerrostatine-1、および培地中のシスチンをシステインに還元しその取り込みを促す2-メルカプトエタノールの添加によってキャンセルされることから、BAG-1の欠損はフェロトーシス感受性に寄与すると考えられた。また、これまでに酸化ストレス下で酸化されるBAG-1のシステイン残基で酸化ストレス抵抗性に必要なシステイン残基を同定している。このシステイン残基に変異を導入したBAG-1をBAG-1 KO細胞に戻してもフェロトーシス抵抗性に必要であることから、BAG-1が細胞内酸化ストレスを認識してフェロトーシスを制御していると考えられた。今後、BAG-1がeIF-2αが脱リン酸化を制御する機能、および小胞体に分布する蛋白質の安定性に寄与する点からこの分子メカニズムを解明する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 抗SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)経口薬の開発と実用化の状況2022

    • 著者名/発表者名
      久下周佐、関根僚也、色川隼人、武田洸樹
    • 雑誌名

      ファルマシア

      巻: 58 ページ: 147-151

    • DOI

      10.14894/faruawpsj.58.2_147

  • [雑誌論文] Comprehensive analyses of the cysteine thiol oxidation of PKM2 reveal the effects of multiple oxidation on cellular oxidative stress response.2021

    • 著者名/発表者名
      Hayato Irokawa, Satoshi Numasaki, Shin Kato, Kenta Iwai, Atsushi Inose-Maruyama, Takumi Ohdate, Gi-Wook Hwang, Takashi Toyama, Toshihiko Watanabe, Shusuke Kuge
    • 雑誌名

      Biochem J.

      巻: 478 ページ: 1453-1470

    • DOI

      10.1042/BCJ20200897

    • 査読あり
  • [学会発表] 様々な化合物により誘導されるピルビン酸キナーゼM2(PKM2)の酸化型シ ステイン残基の解析2021

    • 著者名/発表者名
      色川 隼人,沼崎 賢史,加藤 慎,久下 周佐
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部第 87 回例会
  • [学会発表] 高病原性HCV Core 変異体による小胞体ストレス(ATF6) の上昇を抑制する 化合物の探索と効果の検討2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木 麻莉恵,関根 僚也,土井 隆行,久下 周佐
    • 学会等名
      日本生化学会東北支部第 87 回例会
  • [学会発表] Hsp70 コシャペロンBAG-1 がフェロトーシスに与える影響についての解析2021

    • 著者名/発表者名
      武田 洸樹,色川 隼人,久下 周佐
    • 学会等名
      衛生薬学環境トキシコロジーフォーラム2021
  • [学会発表] HCV Core 誘導型小胞体ストレスを抑制する化合物の同定2021

    • 著者名/発表者名
      関根 僚也,鈴木 麻莉恵,菊地 晴久,大澤 宏祐,土井 隆行,堤 良平,斎藤 芳郎,色川 隼人,武田 洸樹,久下 周佐
    • 学会等名
      衛生薬学環境トキシコロジーフォーラム2021

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公開日: 2024-12-25  

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