1個のアミノ酸置換 (H74L) を持つHLA-A2変異分子HLA-A2-H74Lが、細胞傷害性T細胞 (CTL) へ抗原提示できない現象を発見した。これは、未知の小胞体分子シャペロンが、HLA-A2-H74Lとうまく相互作用できないためだと推測された。最近同定された分子TAPBPRが、その特性から、この現象に関与している可能性が高いと考え解析を行なった。TAPBPRをノックアウトしたヒト細胞株を作製し、HLA-A2の抗原提示を解析した結果、抗原提示能が若干ながら低下していることが明らかになった。従って、TAPBPRがHLA-A2の抗原提示に重要な役割をしているということが示唆された。
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