本研究課題では、染色体分配不安定性とその制御メカニズムにおけるがん関連キナーゼAKTの役割を明らかにすることを目的とした。細胞分裂中期において、AKT1とAKT3はセントラルスピンドルのAurora kinaseに一部オーバラップするような局在を示すこと、AKT阻害剤を処理すると染色体分裂に働くチューブリンスピンドルが多極化することを見出した。さらに、AKTの新規標的分子候補としてKIF23を見出した。AKTによるKIF23のリン酸化は、KIF23の細胞分裂時のミッドボディへの局在に関与することが明らかになり、細胞分裂メカニズムにAKT3が機能することが示された。
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