過栄養や運動不足に代表される現代の生活習慣により肥満が増加しており、メタボリックシンドロームが糖尿病や心臓、血管の病気の危険因子として注目されている。高脂肪食の過剰摂取が、脳の摂食制御・エネルギー代謝の司令塔である視床下部におけるストレス・炎症などを介してレプチン応答性不全を生じ、摂食・代謝調節機能異常を導くことが知られている。また、肥満度が高い人ほど視床下部の炎症による神経損傷がみられたという報告もあり、それが食欲や体重の増加につながるとも考えられている。ガングリオシドの量を調節することで摂食・エネルギー消費を制御することが可能になれば、新規の抗肥満薬・治療へとつながることが期待される。
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