研究課題/領域番号 |
18K06673
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
西田 健太朗 摂南大学, 薬学部, 講師 (20533805)
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研究分担者 |
長澤 一樹 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30228001)
大石 晃弘 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (70780089)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 味覚 / 味細胞 |
研究実績の概要 |
味覚機能において『亜鉛 Zn』は味細胞の分化・増殖に必須の分子であることが示されているものの、味蕾において、亜鉛が味覚情報伝達に関与するか否かは不明である。 本研究では、亜鉛の味覚情報伝達への関与を精査するため、亜鉛バイオセンサーを用いて味刺激に対する味細胞からの亜鉛放出性の検討を行う。さらに、亜鉛トランスポーターの発現局在についても解析する。本年度は、味細胞単離法の確立並びに亜鉛バイオセンサーとしてhuman transient receptor potential ankyrin 1 (hTRPA1) 安定発現細胞の作製を行い、味物質によって刺激された味細胞から亜鉛が放出されるか否かについて検討を行った。その結果、単離味蕾において、味細胞マーカー及びZnt3のmRNAレベルでの発現が認められ、味蕾の単離法が確立できていること、また、その単離味蕾においてZnt3が発現していることが示された。また、hTRPA1安定発現細胞にTRPA1アゴニストであるallyl isothiocyanate (AITC) 又はZnCl2を作用させると、細胞内Ca2+レベルが上昇したことから、hTRPA1安定発現細胞においてTRPA1が機能的に発現していること、また、亜鉛バイオセンサーとして機能する可能性が示された。当該年度の研究は計画に基づき順調に進めることができた。これらの成果を基に、次年度は味細胞からの亜鉛放出性を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、計画に基づき味細胞の単離およびバイオセンサーの確立まで順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度で得られた研究成果を基に、次年度は単離味細胞からの亜鉛放出性を検討する予定である。また、免疫電子顕微鏡解析によるZnT3の発現局在も実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
免疫電子顕微鏡解析のための進捗状況が遅れたため、残額が発生したが、翌年度分と合わせて使用する予定である。
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