研究課題
基盤研究(C)
乳がん幹細胞様細胞は、乳がん組織の中にごくわずかに潜み、長い年月を経て、転移や再発、薬剤耐性を頻繁に引き起こす乳がんの脅威の根源である。本研究では、乳がん幹細胞様細胞の維持には亜鉛を必要とし、その機序として、亜鉛トランスポーターZIP6とZIP7の発現バランスによる亜鉛輸送活性を起点とした亜鉛依存的なPR domain zinc finger protein 14 (PRDM14)の機能制御が関与することを明らかにした。
医療薬科学
これまで謎に包まれていた乳がん幹細胞様細胞の維持機構において、亜鉛および亜鉛トランスポーターの関与を初めて明らかにし、本研究成果は、乳がん悪性化機構の本態解明に重要な方向性を示すものである。さらに、亜鉛ネットワークを利用した乳がん診断マーカーの開発や新たな乳がん治療方法の確立への道を切り開く突破口として、実用化に向けての貢献が期待される。