研究実績の概要 |
我々が昨年度開発したscChIC-Seq法を用いることで、単一細胞レベルで高感度にヒストン修飾(活性型ヒストン修飾H3K4me3と抑制型ヒストン修飾H3K27me3)を検出することが可能であることが実証された(Ku, Nakamura, et al., Nature Methods, 2019)。本法は、単一細胞の核内でゲノムDNAを新型プローブと反応させ、そのままホルムアルデヒドでタンパク質とDNAを架橋し、免疫沈降法の原理を応用して、特異的なゲノム領域を抽出精製し、得られたDNAを網羅的にシークエンス、得られたシークエンスデータをリファレンスゲノムと照合させることにより、ゲノムの場所を特定する新しい技術である。しかし、シークエンサーに供するサンプルの調製までは技術的なハードルが高く、実験ステップ数が多い。本年度では、このプロトコルの改良と簡略化を重点的におこなった。その結果、改良型scChIC-Seq法として汎用性の向上に結び付いた。
|