研究課題/領域番号 |
18K06694
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 同志社女子大学 (2020) 大阪薬科大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
尾崎 恵一 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (50252466)
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研究分担者 |
福永 理己郎 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (40189965)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ERK1/2 / MNK1/2 / がん / 糖尿病 / 脂肪細胞 / NLRP3 |
研究成果の概要 |
これまで、ERK経路の恒常的活性化を伴うがん細胞や肥大化脂肪細胞に対する、ERK経路の特異的遮断剤MEK阻害剤を用いた効果的な薬物治療の可能性を明らかにしてきた。 本研究では、新たな治療標的として、ERK経路下流のキナーゼ MNKや、ERK経路の標的遺伝子であることを見出したNLRP3というインフラマソーム構成分子に注目した。 その結果、MNK-I1というMNK阻害剤とHDAC阻害剤との併用が、BRAF活性変異を有するがん細胞等に対して顕著な細胞死誘導効果を示すことが分かった。さらに、TNFα刺激による3T3-L1脂肪細胞でのNLRP3誘導を抑制するMEK阻害剤に匹敵する薬剤が見つかった。
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自由記述の分野 |
生物系薬学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1)BRAFやRASという分子の活性変異を有することでERK経路という細胞内シグナルが恒常的に活性化している、がんの薬物治療に対して新たな知見が得られた。すなわち、現在は固形がんへの使用が未承認であるHDAC阻害剤という抗がん剤を、今回明らかにしたMNKという酵素阻害剤と併用することで新たな固形がん治療法につながる可能性がある。 2)脂肪細胞において、炎症にかかわるNLRP3という分子の発現誘導を抑制することのできる新しい薬物ソースを発見したことから、糖尿病などの肥満関連疾患の新たな治療薬の候補に繋がる可能性がある。
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