研究実績の概要 |
2020年度はCSPaのリン酸化欠損変異体、模倣変異体のウイルス作製やCSPaの変異体を黒質線条体系で発現するマウスの作製を行った。 rTHp promoter制御下にCSPa-WT, SA, SD, H43Qの4つのアデノ随伴ウイルス(AAV) PHP.eBを作製した。 10^13Vg/mlオーダーのウイルスを作製し、ドパミン神経であるPC12細胞で発現確認を行い、ドパミン神経系において本AAVがCSPa-EGFPのWTと変異体を発現することを確認した。 その後、6週令雄のC57BL6Nマウスの眼窩静脈叢経由でAAVを投与した。感染後45日で黒質線条体系をはじめとするドパミン神経系での発現を免疫組織学的染色で確認した。同時にAAV PHP.eBの感染効率がよい海馬においてもCSPa-EGFPの発現を確認した。このことから、本来のTHプロモーターの制御下にない組織での発現も認めることが分かった。 現在内在性のCSPaとCSPa-EGFPの発現比率を検証中であり、十分量のAAV由来のCSPa-EGFPの発現が確認できれば、半年から1年の長期観察により黒質線条体系の変性を観察する予定である。また、発現比率が低い場合には、黒質線条体系に直接AAVを打ち込むことを考えている。
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