研究課題
基盤研究(C)
キマーゼを特異的に阻害する新規の核酸製剤の心筋梗塞後の心不全に対する効果を検討した。心筋梗塞後に心臓キマーゼ活性は有意に上昇したが、核酸製剤は有意に抑制した。心筋梗塞後に増加した心臓のキマーゼ、TGF-βおよびコラーゲンのmRNAレベルは核酸製剤により有意に低下した。心筋梗塞後に低下した心機能も核酸製剤により有意に改善し、死亡率も有意に低下した。キマーゼ特異的阻害核酸製剤が心筋梗塞後の心不全予防に有用であった。
薬理学
心筋梗塞を起こした患者は、心筋梗塞後に心不全に陥っていくが、特異的にキマーゼを阻害する核酸製剤が心筋梗塞直後からの投与でその進行を予防することを示した。この核酸製剤のキマーゼに対する特異性は既存の低分子キマーゼ阻害薬よりも極めて高く、低濃度でも有用であった。核酸製剤は、心筋梗塞後の心不全予防において新しい治療戦略になる可能性を示した。