研究課題
これまでの研究において、T型カルシウムチャネル阻害薬がブチル酸誘起過敏性腸症候群における痛みを抑制することが明らかとなった。そこで、T型カルシウムチャネルの機能増強を誘起する硫化水素 (H2S) を単独では結腸痛を誘起しない濃度でbutyrate処置マウスに結腸内投与したところ、結腸痛様行動および関連痛覚過敏が認められ、これらは、Tチャネル阻害薬あるいはアンチセンス法によるCav3.2のノックダウンよって抑制された。さらに、butyrate処置マウスでは、TRPV1、TRPA1およびPAR2のアゴニストの結腸内投与によっても過感受性も認められ、これらはすべてTチャネル阻害薬によって抑制された。また、野生型C57BL/6マウスにおいてもbutyrate処置により腹部関連痛覚過敏および結腸伸展刺激あるいはNa2S刺激に対する過感受性が認められたが、以上より、IBSに伴う結腸痛および知覚神経過敏にCav3.2 が要な役割を演じている可能性が示唆された。
すべて 2021 2020
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