ButyrateおよびTNBS誘起関連痛覚過敏および結腸過敏にCav3.2 T型カルシムチャネルが重要な役割を持つことが明らかになった。一方、CB1およびCB2受容体刺激薬は本モデルにおいて明確な効果を示さなかった。そこで既存医薬品の中でT型カルシムチャネル阻害活性を有する抗不整脈薬や抗狭心症薬bepridilや定型抗精神病薬pimozideの有効性を検討したところ、強い結腸痛抑制効果が認められた。したがって、bepridilやpimozideをリード化合物としたよりT型カルシムチャネルに選択性の高い薬物の開発は、過敏性腸症候群の新たな治療戦略となりうることが明らかとなった。
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