研究課題/領域番号 |
18K06713
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
佐伯 真弓 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 主席研究員 (00462771)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アレルギー / T細胞 / 免疫応答 |
研究実績の概要 |
本研究では、スギ花粉症の舌下免疫療法の奏功に強く相関することが示唆された苦味受容体の免疫応答における役割を明らかとする。中でも、免疫応答において中心的な役割を果たしているT細胞に焦点を当てて、苦味受容体の役割を解析する。本年度は、ヒトT細胞における苦味受容体の影響に関して、in vitroにおける解析を引き続き進めていくと共に、in vivoにおける苦味受容体の役割の詳細を明らかとする為に、CRISPR/Cas9システムを用いて、苦味受容体のノックアウトマウスの作製を試みた。まず、各種マウス苦味受容体を標的とするガイドRNAを設計した。設計したガイドRNAとその相補鎖を用いて、ガイドRNA発現プラスミドの作成を行った。作成したガイドRNAの切断効率を確かめるために、細胞株に各種ガイドRNAの発現プラスミドと標的配列を含む遺伝子断片を導入したpCAG-EGxxFPを遺伝子導入し、目的とする遺伝子配列の切断活性を評価したところ、切断活性が低い標的配列が複数存在することが明らかとなった。その為、活性の低い標的配列に関しては、標的とするガイドRNAを再度設計し直した。その後、ガイドRNAの切断活性を評価し、相対的に切断活性の高い標的配列を決定した。切断活性の高い標的配列を確定できたことから、標的配列を含むガイドRNAとCas9 mRNAをin vitro転写により調整して、マウスES細胞に遺伝子導入を行い、ES細胞クローンを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CRISPR/Cas9システムを用いて苦味受容体欠損したマウスの作製するために、ガイドRNA設計を行ったが、苦味受容体は非常に類似した遺伝子がタンデムに並んでいることから、ガイドRNAの設計が難しく、作成したガイドRNAの切断活性を測定したところ、活性の低いものが複数存在して、再度設計を行った為。
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今後の研究の推進方策 |
合成したガイドRNAをマウスES細胞にCas9 mRNAとともにトランスフェクトし、マウスES細胞クローンを得たことから、苦味受容体を欠損しているクローンをセレクションし、苦味受容体欠損ES細胞からヘテロ領域欠損マウス、ホモ領域欠損マウスを作出し、in vivoにおける苦味受容体の役割を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に準じて遺伝子改変マウスを作製する為に、ガイドRNAを設計したが、切断活性の低いガイドRNAがあり、切断活性の良いガイドRNAを再設計した為、次年度使用額が生じた。 現在、ES細胞クローンが得られたことから、次年度に行う導入クローンの選択とマウス作製に次年度使用額を使用する予定である。
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