昨年度、ヒトT細胞株であるJurkat細胞に、苦味受容体を安定的に発現する細胞株の樹立を行った。そこで、樹立した細胞株に苦味成分を作用させたところ、細胞をPMAやイオノマイシンで刺激することによっておこる活性化を抑制することが示された。 免疫応答は全身性の反応である為、欠損マウスを用いて、生体内での免疫応答における苦味受容体の役割を明らかとすることにした。マウスは36種類の苦味受容体を発現しているが、ヒトとの間には、感受する苦味に差があること、系統差が非常に大きいことが明らかにされている。一方で、既報において、当該苦味受容体とホモロジーの高いマウス苦味受容体は報告されていない。そこで、ヒトと相同する苦味受容体を明らかにするために、いくつかの系統のマウスに当該苦味成分を飲水させ、分子種のスクリーニングを行った。しかし、当該苦味成分の飲水に変化はみられなかった。その為、ヒト苦味受容体の組織特異的ノックインマウスの樹立を行った。
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