研究課題
本研究は資源調査と共に遺伝的・成分的なアプローチによる解析により、中国産サラシア属植物の有用性を明らかにすることを目的としている。令和4年度では、これまで収集したサラシア各種についてNMR法による成分プロファイリングの比較を行っている。1H NMRスペクトルにおいて、類似成分のシグナルの重なりにより明確な成分同定が困難であるため、2D NMR(2D 1H-13C HSQCスペクトル)を用いる解析方法の検討を行った。サンプル調製において、これまでサラシア属特徴的な成分として報告されているチオ糖類成分を多く抽出できることから抽出溶媒は水を用いた。NMR測定の際、凍結乾燥した水エキスを重水素化溶媒で再溶解する必要があるため、重水と重メタノールを用いて比較した結果、チオ糖類成分のシグナルを観察される領域では両方とも類似したスペクトルが認められたが、それ以外の領域では重メタノールで調製したサンプルに多くのシグナルを検出できるため、NMR測定溶媒を重メタノールに決定した。また、サラシア4種を用いて、異なるサンプル量と目的とする測定領域における1Hシグナルの積分値との相関範囲を検討し、サンプル調製法の最適化をした。
4: 遅れている
新型コロナウイルス感染症の影響により、フィールド調査ができなかった。
フィールド調査ができるようになったので、調査を行う。これまで得られた研究結果をまとめ、論文作成を行う。引き続き各種の成分パターンの比較を行う。
研究期間の延長を行ったため、未執行であった額を繰り越すこととした。繰り越した分を研究試薬・器具の購入費、成果の取りまとめ、調査研究費などに使用する予定である。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
J. Nat. Med.
巻: 77 ページ: 152-172
10.1007/s11418-022-01658-7.
巻: 76 ページ: 435-450
10.1007/s11418-021-01599-7