研究課題/領域番号 |
18K06727
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
久保 美和 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (00330754)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 神経幹細胞 / モレキュラーネットワーキング / メタボロミクス |
研究実績の概要 |
所有する植物抽出物ライブラリーのLC-MSMS解析を網羅的に行うため,LC-MSの条件検討を行った。植物抽出物には多種多様な化合物が含まれているため,全ての化合物の良好なMSデータを得るための最適な分析条件を検討する必要がある。まずは,申請者が開発した5種類の植物抽出物からなるクォリティーコントロール(QC)を用いて分析条件を検討した。様々な濃度に調整したQCをサンプルとし,サンプル中に含まれる化合物群がほとんど分離できる様なLC条件を探した。その結果,10min以内でほぼ全てのピークが分離できるLC条件を見つけることができた。続いて,MS部の条件検討を行なった。ガス流量や電圧などを微調整したが,m/z800付近は精密質量が得られるものの,m/z300付近では7ppmほどのズレが生じた。サンプル濃度を希釈することにより解消できたが,マイナー成分のピーク検出が難しくなった。現在,最適条件を再検討しているところである。多少のズレはあるものの,今の所最も最適な分析条件でQCを分析し,メタボロミクス 解析を行った。データの変換方法から解析までの流れをセットアップすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究はLC-MSMSを活用した天然物メタボロミクス が鍵となっている。よって,最適なLC-MSMSの分析条件が定まらない限り,前には進まない。当初計画していたライブラリーのメタボロミクス 解析があまりできていないので,計画よりはやや遅れれいる。最適条件は見いだせていないものの,分析からメタボロミクス 解析までの流れは確立することができているので,次年度は遅れを回復できるものと見ている。
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今後の研究の推進方策 |
まずは,神経分化調節機能を可視化したモレキュラーネットワークプロファイリングの構築にむけて,LC-MSMSの最適分析条件を決定する。続いて,所有する約300種類の植物抽出物ライブラリーのLC-MS/MS解析を行う。次に,申請者が確立したマウス神経幹細胞MEB5細胞を用いてスクリーニングを行い,抽出物ライブラリーの神経幹細胞の分化誘導促進活性の有無を調べる。活性評価は,顕微鏡画像解析により行っていたが,効率性を向上させるため,フローサイトメーターを用いた定量的評価方法への改良を検討する。活性データとMS/MSデータを統合し,植物抽出物ライブラリーに含まれる特定のニューロンサブタイプ(神経細胞,アストロサイト)への分化誘導促進物質情報を可視化したモレキュラーネットワーキングプロファイルを構築する。また,これまで蓄積してきた数百種類にもおよぶ新規・既知化合物ライブラリーの中から,異なるタイプの化合物群を数十種類ピックアップしてベンチマーク混合物を作成し,MS/MSデータを取得してネットワークプロファイルに反映させる。ベンチマークと類似スペクトルを有するnodeがクラスタリングできるため,既存のデータベースで同定しきれなかった化合物の構造を推定することができる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況がやや遅れていたため,当初使用予定金額と差異が生じた。次年度は,遅れている当初の研究計画を進めるため,LC-MSMS分析に必要な溶媒や,UPLCカラム,消耗品の購入に充てる計画である。
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