研究実績の概要 |
ヒトにおいて劇症肝炎を引き起こす58薬物のうち対象とする薬物の選別を行い、ヒト肝キメラマウスより単離された肝細胞において、肝障害のイニシエーションに関わるミトコンドリア毒性の試験系の構築を行った。その結果、ミトコンドリアに対する毒性を示す薬物による肝細胞毒性の検出には、ミトコンドリアの機能の賦活化とミトコンドリアにおけるROSの蓄積が重要な因子であることが明らかとなった。今回の結果は、ミトコンドリアにおけるROSの除去酵素であるSOD2遺伝子をヘテロに欠損したSOD2(+/-)マウスにおいて肝障害ができること(Ramachandran A et al. Toxicol Appl Pharmacol. 2011)や、ヒトにおいてSOD2遺伝子が肝障害の感受性を決めている要因であるとの過去の報告(Lucena MI, García-Martín E, Andrade RJ, Martínez C, Stephens C, Ruiz JD, Ulzurrun E, et al. Hepatology. 2010)を裏付けるものであり、今後、より安全性の高い医薬品の開発に資することが期待される。
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