メトトレキサート (MTX)など臨床で用いられる薬剤の中には肺障害を誘発するものが多い。近年、肺線維症の主たる原因の一つとして、肺胞上皮Ⅱ型細胞が筋線維芽細胞へと形質転換する上皮間葉転換 (EMT) の関与が注目されているが、薬剤誘発性肺線維症の発症機構を細胞・分子レベルで解析した報告は乏しい。 本研究ではヒト由来培養肺胞上皮細胞A549を用いて薬剤誘発性肺線維症誘発の分子機構について解析し、MTX誘発性EMTには細胞周期の停止、TGF-βシグナル経路を介したATF3の発現上昇、PAI-1の分泌増加およびuPARとの相互作用が関与している可能性を明らかにした。
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