研究課題/領域番号 |
18K06753
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
田原 耕平 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (30454325)
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研究分担者 |
井上 直樹 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90183186)
竹内 洋文 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50171616)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | リポソーム / ナノ粒子 / ウイルス |
研究実績の概要 |
我々は特殊な物性を有するリポソームや高分子ナノ粒子が、宿主細胞へのウイルス感染を強力に抑制することを見出した。この現象は、微粒子自体が細胞のおとり(デコイ)として働きウイルス感染を制御していることが予想され、画期的な感染症薬物治療につながる。しかしながら、ウイルス感染抑制メカニズムについては不明な点が多い。本研究では、生体適合性微粒子によるウイルス感染抑制機構を解明し、臨床応用可能な製剤設計基盤を確立する。微粒子・ウイルス・宿主細胞間相互作用を網羅的に解析し、最も効果的にウイルス感染を制御できる微粒子組成を見出す。 本年度はまず、粒子物性の異なる微粒子ライブラリーの構築を行った。ウイルスとの相互作用に大きく影響すると思われる微粒子物性は、コア組成・サイズ・表面修飾剤である。コア微粒子としてリポソーム及びポリ乳酸グリコール酸(PLGA)ナノ粒子を使用した。粒子径、コア組成と表面修飾の組合せが異なる抗ウイルス微粒子を網羅的に調製した。次に培養細胞を用いた微粒子の安全性評価を行った。安全性の高い粒子組成を用いて微粒子による宿主細胞へのウイルス感染阻害・吸着量評価を行った。モデルウイルスとしてバキュロウイルス及びヘルペスウイルスを用いた。その結果、ステアリルアミンなどカチオン性化合物を含む微粒子のウイルス感染抑制効果が高いことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、ナノ粒子の調製とin vitroでのウイルス感染抑制評価を実施し、抗ウイルス作用を有するナノ粒子を複数見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、進捗状況に従い前年度の研究を一部継続するとともに、抗ウイルス微粒子の最適化を行う予定である。動物を用いたin vivo実験も実施し、粘膜局所抗ウイルス微粒子製剤の機能評価及び動態特性を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度実施したナノ粒子のin vitro細胞評価に時間がかかり、in vivo動物実験の予備検討に取り組むことができなかったため、次年度に実施することとした。
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