研究課題
昨年度までに、ステアリルアミンを含有したカチオン性リポソームがヘルペスウイルスに対して高い抗ウイルス効果を示すことを、in vitroにおける培養細胞及びin vivoのマウスヘルペス性角膜炎モデルを用いて明らかにした。最終年度では、より効率的に抗ウイルス効果を示す製剤設計を行うことを目的として、カチオン性リポソームに既存抗ウイルス薬であるアシクロビルやsiRNAを封入することで、相乗的な治療効果を達成することを試みた。アシクロビル及びsiRNAを封入したカチオン性リポソームを調製することができた。培養細胞を用いた実験では、siRNAとカチオン性リポソームの相乗的な抗ウイルス効果を確認することができ、現在再現性のチェックを行っている。カチオン性リポソームの呼吸器感染症への適用を目指して、インフルエンザウイルスを用いてin vitroで評価を行った。ステアリルアミン含有リポソームはヘルペスウイルスと同様にインフルエンザウイルスにおいても、高い抗ウイルス効果を示すことを明らかにした。インフルエンザの場合、アニオン性リポソームも若干ではあるが抗ウイルス効果を示したことから、ウイルス種に応じてリポソーム処方の最適化が必要であることが示唆された。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
International Journal of Pharmaceutics
巻: 593 ページ: 120148~120148
10.1016/j.ijpharm.2020.120148