研究課題
【目的】ロコモティブシンドローム(ロコモ)は超高齢社会の日本の大きな課題である。薬局で行うその予防活動が地域住民にもたらす効果をロコモの測定指標を基に検証した。【方法】2019年5月から2021年3月にかけて、愛知・静岡県内の11薬局を対照群4薬局と介入群7薬局に振り分け、65歳以上85歳未満かつロコモ度1に該当し、本研究に同意した者を対象とした。ロコモ度テスト、下肢筋力、開眼片脚立ち時間などの測定を実施した。さらに介入群では、薬剤師によるロコモ予防トレーニング(ロコトレ)の指導を行い、自宅で毎日の実施状況を手帳に記録してもらい、1か月ごとに薬剤師が記録を確認した。毎月の確認時には開眼片脚立ち時間の測定とロコトレの点検を行った。両群ともに初回測定から6か月後に再び同様の測定を実施した。6か月後の両群の測定値変化、ロコトレ実施状況を統計的に解析した。【結果】対照群32名、介入群22名を解析対象とした。開始時と6か月後の測定値を比較したところ、介入群でのみ、ロコモ25、下肢筋力評価に用いる体重指示指数、開眼片脚立ち時間に有意な改善が見られた。また、介入群の方が、ロコモ度が改善した者の割合が多かった。介入群でのロコトレは、6か月間を通して継続して実施できた。【考察】対照群に比べ、薬局薬剤師が指導を行った介入群ではロコモ25、体重指示指数、開眼片脚立ち時間に有意な改善が見られたこと、ロコモ度が改善した者が多く見られたことから、薬局で行うロコトレ指導はロコモ予防に有益であることが示唆された。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
J. Pharm. Health Care Sci.
巻: 6 ページ: 24
10.1186/s40780-020-00182-8