本年度は、ベルギーLeuven大学との共同研究として、申請者が既に発表した、ベルギーFLEMENGHO研究における血圧値と血中鉛濃度との関連についての内容を含めたreview論文を執筆し、Hypertension reseach誌にて発表を行った。また、本研究課題では、生活習慣病薬の有効性および安全性に関する薬剤疫学研究を、大規模医療情報データベースを用いて実施するにあたり、診療報酬請求データにおける生活習慣病の疾病定義の妥当性について検討を行った。さらに、大規模医療情報データベースに機械学習を適用し、降圧剤・高脂血症用剤の安全性リスクの予測、および、糖尿病治療薬における有害事象間の潜在的関連性の探索を行った。 一方で、共同研究先であるオランダErasmus Medical Centreにて、Rotterdam研究のデータ分析を実施する予定であったが、同センターが現地基幹病院の一つであることから、新型コロナウイルス感染流行が収束しつつあるとはいえ、渡欧して分析を行うことはできなかった。そのため、共同研究者との意見交換および今後の研究計画について議論を行った。 本研究課題は、研究期間全体を通して、国際共同研究として共同研究先での研究活動が含まれていたものの、新型コロナウイルス禍と重なったことにより、共同研究先での研究を実施することができず、国内で実施可能な研究を中心に進めることになった。しかしながら、研究計画の一つであるHOMED-BP研究について国際会議での発表を行い、また、国外の共同研究者と共にreview論文を執筆する等、今後の国際共同研究の発展に繋がる実績をつくることができた。
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