研究課題/領域番号 |
18K06763
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
加藤 宏一 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (40319322)
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研究分担者 |
近藤 正樹 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00717910)
中村 二郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40283444)
巽 康彰 愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (40335055)
加藤 義郎 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40513429)
加藤 文子 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (60513934)
姫野 龍仁 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60753762)
神谷 英紀 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70542679)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 糖尿病神経障害 / オートファジー / 酸化ストレス / ERストレス |
研究実績の概要 |
マウス不死化シュワン(IMS32)細胞とラット不死化シュワン(IFRS1)細胞を用い、高・低グルコースおよび酸化ストレスのオートファジーに対する影響に関して検討を進めている。
1) 今年度は、IFRS1細胞を用いてオートファジーと酸化ストレス(tBHP)誘導細胞死の関与について検討を行った。3時間の酸化ストレス(tBHP)刺激は、濃度依存的に細胞死を誘導した。また、酸化ストレス刺激による細胞障害時のオートファジー細胞内シグナル解析では、50 μM tBHPによりLC3B-II/LC3B-Iタンパク質の比の上昇とp62タンパク質の減少が認められた。したがってIFRS1細胞において酸化ストレスはオートファジーを誘導させ細胞死を促進させることが明らかとなった。これらの結果は、第63回日本糖尿病学会年次学術総会に採択され発表予定である。
2) さらに、糖尿病神経障害における高・低グルコースの影響とアルドース還元酵素阻害薬の神経保護効果についてIMS32細胞を用いて検討した。Epalrestat(Epa)は、高・低グルコースで減少した細胞生存率と酸化ストレス亢進を改善し、抗酸化酵素(Ho-1 と Catalase)を誘導させることを明らかにした(Kato A, et al., 79th American Diabetes Association (ADA)、加藤文 et al., 令和元年度糖尿病性神経障害を考える会学術講演会、Kato K, et al., 29th annual meeting of the diabetic neuropathy study group of the European Association for the Study of Diabetes (EASD) 国際学会発表)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IFRS1細胞を用いた研究結果により、酸化ストレス(tBHP)がオートファジーを誘導することを明らかにし、第63回日本糖尿病学会年次学術総会において発表予定である。また、IMS32細胞を用いた結果は、高低グルコース変動により誘導される細胞死と酸化ストレス亢進がポリオール代謝経路および小胞体ストレスを介することを解明し、国際学会において発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
IMS32細胞だけでなくIFRS1細胞を用いて酸化ストレスによりオートファジーが誘導されることが確認できたため、次にω3多価不飽和脂肪酸の酸化ストレス誘導オートファジーに対する影響を、細胞内情報シグナル経路の解析で検討する予定である。また、酸化ストレスによる細胞内オートファジー経路の形態学的変化を検討するために、蛍光顕微鏡によりオートファゴソームとオートリソソームの検出を行い、ω3多価不飽和脂肪酸による効果を検討予定である。更にこれまでに行ってきた研究の不足項目の検討を行い、学会発表や論文報告につなげる。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品の納品が遅れて次年度に繰り越しになった。
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