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2020 年度 実績報告書

糖尿病性神経障害と小胞体ストレスおよびオートファジー:ω3多価不飽和脂肪酸の効果

研究課題

研究課題/領域番号 18K06763
研究機関愛知学院大学

研究代表者

加藤 宏一  愛知学院大学, 薬学部, 教授 (40319322)

研究分担者 近藤 正樹  愛知医科大学, 医学部, 講師 (00717910)
中村 二郎  愛知医科大学, 医学部, 教授 (40283444)
巽 康彰  愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (40335055)
加藤 義郎  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40513429)
加藤 文子  愛知学院大学, 薬学部, 講師 (60513934)
姫野 龍仁  愛知医科大学, 医学部, 講師 (60753762)
神谷 英紀  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70542679)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード糖尿病神経障害 / オートファジー / ω3多価不飽和脂肪酸 / 小胞体ストレス / 酸化ストレス / アポトーシス
研究実績の概要

糖尿病神経障害の成因は多岐に渡っており、その中でも酸化ストレスはすべての成因に共通して亢進している。また酸化ストレスにより細胞器官は障害を受け、オートファジーにより処理される。しかし、糖尿病神経障害の発症に小胞体(ER)ストレスおよびオートファジーの関与について詳細には明らかにされていない。
最終年度は、酸化ストレス(tBHP)誘導オートファジーに対するω3多価不飽和脂肪酸(DHA)の細胞内シグナルへの影響と、形態学的変化の検出を行った。tBHPによるオートファジーシグナルは、LC3-II/LC3-Iタンパク質比の増加、p62タンパク質の減少とAMPKタンパク質のリン酸化が増加した。DHAの前投与によりtBHPにより増加していたLC3-II/LC3-Iタンパク質比は減少し、減少していたp62タンパク質は増加し、増加していたAMPKタンパク質のリン酸化は減少した。以上より、DHAはオートファジーシグナルを制御することでtBHPによる細胞障害を抑制することを見出した。また、tBHPによりオートファゴソームとオートリソソームの誘導は形態学的に観察され、DHAの前投与によりtBHPにより誘導されたオートファゴソームとオートリソソームが抑制されることも見出した。
事業期間全体を通じてマウス不死化シュワン(IMS32)細胞とマウス神経芽細胞腫(Neuro-2a)細胞およびラット不死化シュワン(IFRS1)細胞を用い解析を行った結果、酸化ストレスによりオートファジーが誘導された。短時間の高・低グルコース変動においては、ERストレスとアポトーシスが増加し、細胞障害を引き起こすことも見出した。tBHPによる細胞障害に対しては、DHAを前投与することによりオートファジーの抑制と抗酸化酵素の誘導を介して保護的に作用し、糖尿病神経障害の予防に有用である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Deficiency of glucagon gene-derived peptides induces peripheral polyneuropathy in mice.2020

    • 著者名/発表者名
      Motegi M, Himeno T, Nakai-Shimoda H, Inoue R, Ozeki N, Hayashi Y, Sasajima S, Mohiuddin MS, Asano-Hayami E, Kato M, Asano S, Miura-Yura E, Morishita Y, Kondo M, Tsunekawa S, Kato Y, Kato K, Naruse K, Seino Y, Hayashi Y, Nakamura J, Kamiya H.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 532 ページ: 47-53

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2020.08.007

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Docosahexaenoic acid attenuates oxidative stress-induced autophagy and cell death in immortalized adult rat Schwann (IFRS1) cells2020

    • 著者名/発表者名
      Yasuaki Tatsumi, Ayako Kato, Takahiro Banno, Naoko Niimi, Kazunori Sango, Tatsuhito Himeno, Masaki Kondo, Yoshiro Kato, Hideki Kamiya, Jiro Nakamura, Koichi Kato
    • 学会等名
      American Diabetes Association 80th scientific sessions
    • 国際学会
  • [学会発表] DHAはラット不死化シュワン細胞における酸化ストレス誘導オートファジーを抑制し細胞死を改善する2020

    • 著者名/発表者名
      巽康彰、加藤文子、坂野崇宏、新見直子、三五一憲、姫野龍仁、近藤正樹、加藤義郎、神谷英紀、中村二郎、加藤宏一
    • 学会等名
      第63回 日本糖尿病学会年次学術集会
  • [学会発表] イメグリミンはシュワン細胞において高・低グルコースのミトコンドリア酸化ストレスの亢進を改善し細胞死を抑制する由来活性酸素に対する影響:脂肪酸酸化およびポリオール代謝の関与2020

    • 著者名/発表者名
      加藤文子、巽康彰、八子英司、三五一憲、姫野龍仁、近藤正樹、加藤義郎、神谷英紀、中村二郎、加藤宏一
    • 学会等名
      第63回 日本糖尿病学会年次学術集会
  • [学会発表] ラット不死化シュワン細胞におけるDHAの酸化ストレス誘導オートファジーの抑制と細胞死改善効果2020

    • 著者名/発表者名
      巽康彰、加藤文子、坂野崇宏、新見直子、三五一憲、姫野龍仁、近藤正樹、加藤義郎、神谷英紀、中村二郎、加藤宏一
    • 学会等名
      第35回 日本糖尿病合併症学会
  • [学会発表] シュワン細胞における高・低グルコースによる細胞死の増加とミトコンドリア機能障害に対するイメグリミンの効果2020

    • 著者名/発表者名
      加藤文子、巽康彰、八子英司、三五一憲、姫野龍仁、近藤正樹、加藤義郎、神谷英紀、中村二郎、加藤宏一
    • 学会等名
      第35回 日本糖尿病合併症学会
  • [備考] 愛知学院大学 薬学部 医療薬学科 薬物治療学講座ホームページ

    • URL

      http://www.phar.agu.ac.jp/lab/medicine/index.html

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公開日: 2021-12-27  

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