薬物の腎排泄に関わる尿細管分泌の程度や、分泌に関与する薬物トランスポーターの寄与率を正確に予測することは困難であり、その評価系の構築が望まれていた。本研究では、薬物トランスポーターの発現調節に関与する因子(転写因子)を薬物トランスポーターが発現していないヒト腎由来培養細胞に導入し、その発現変動について検討した。その結果、転写因子HNF1αを導入した細胞において、低分子量タンパク質や薬物のエンドサイトーシスを担うメガリンの発現が顕著に上昇し、メガリンの基質であるアミノグリコシド系抗生物質の腎毒性が増強されることを明らかにした。
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