研究課題/領域番号 |
18K06768
|
研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
細畑 圭子 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (10547962)
|
研究分担者 |
高井 真司 大阪医科大学, 医学研究科, 教授 (80288703)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | バイオマーカー / 慢性腎臓病 / 尿細管 / 食塩過剰摂取 / 高血圧 / 基礎研究 / 臨床研究 |
研究実績の概要 |
基礎研究では、6週齢の雄性DSラットを1)通常食群、2)高食塩食群、3)高食塩食+テンポール(3 mmol/L in drinking water)投与群、4)高食塩食+エプレレノン(100 mg/kg/day)投与群に分け、それぞれ4週間飼育した。12時間蓄尿による採尿を1週毎に行い、4週後に腎臓を採取したのち、PAS染色による組織学的評価、免疫染色による4-hydroxy-2-nonenal (4HNE)とvanin-1の局在評価、およびマロンジアルデヒド(MDA)による酸化ストレス評価を行った。高食塩負荷により組織学的な尿細管障害とともに酸化ストレスの増大がDSラットで認められたが、テンポールおよびエプレレノンにより有意に抑制された。腎MDA および4週後の尿中vanin-1はテンポールおよびエプレレノンにより有意に低下するとともに、4HNEおよび近位尿細管に局在するvanin-1の発現が減弱した。vanin-1は高食塩により酸化ストレスに起因する腎障害に関与し、その障害は近位尿細管特異的であることが示唆された。 臨床研究では高血圧患者を対象とした後方視的研究として各種バイオマーカーの尿中濃度の測定を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Dahlラットを用いた基礎研究では各種マーカーを指標とした免疫組織染色mRNA量の定量、組織染色による繊維化評価を実施し、概ね順調に進んでいる。 一方、臨床研究では共同研究先との円滑な連携により、順調に症例数を積み重ねている。
|
今後の研究の推進方策 |
近位尿細管障害進展におけるvanin-1の関与についてより詳細な検討を進める。 学会発表や論文発表により研究成果を精力的に発信する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
臨床研究におけるヒト試料の測定をまとまった数で行っており、収集タイミングにより本年度では測定回数が少なかったことから当初より費用が下回った。その分、次年度における測定回数は頻回になると見込まれる。
|