研究実績の概要 |
薬物性肝障害に関し、主に5箇所の拠点病院より、発症患者の血液および臨床情報を収集した。収集した計322例のうち、231例に関しゲノム網羅的遺伝子多型解析が、274例に関しHLA解析が、それぞれ終了した。ゲノムDNAを用いたHLA解析は、PCR-SSO法により行った。またゲノム網羅的遺伝子多型解析は、イルミナ社Human Omni2.5-8ビーズチップ(ゲノム広域に分布する一塩基多型を中心とした約250万遺伝子多型のタイピングチップ)を用いて行った。対照としては、日本ファーマコゲノミクス・データサイエンスコンソーシアムから譲渡を受けた約2,800人の日本人健康成人におけるHLA及び遺伝子多型の頻度情報を用いた。さらに未解析多型部位に関し、インピュテーションも行った。発症群と対照群におけるHLA型や遺伝子多型頻度を比較するケース・コントロール研究を行い、Fisherの正確確率検定等を用いて統計解析を行った。多重性補正は、Bonferroni法により行った。ある種の医薬品群で、有意に関連する遺伝子マーカー(HLA型及び遺伝子多型)を見いだし、その関連機序に関する考察を行った。
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