ヒト iPS 細胞を用いて in vitro で血液脳関門(blood brain barrier; BBB)モデルを作製した。得られた BBB モデルを使って培養条件を変化させた結果、低酸素状態で培養したときに BBB のバリア能が著しく障害されることが明らかとなった。低酸素(虚血)時には数多くの炎症性メディエーターが放出されることが知られているので、その原因を調べたところ、TNF-a を作用させたときにバリアが障害を受けることが示された。以上より、本研究では酸素濃度、グルコース供給に加えて、周囲の細胞が産生する炎症性メディエーターに対しても考慮した虚血性脳血管障害モデルを確立した。
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