研究課題/領域番号 |
18K06779
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
永井 純正 京都大学, 医学研究科, 教授 (40579710)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 抗癌剤 / 薬事規制 |
研究実績の概要 |
2021年度に引き続き、2022年度においても、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン及び治療薬の早期承認のあり方が社会的に大きな関心事となり、抗癌剤における条件付き承認のあり方に関する研究にも大きな影響を与えた。特に、2022年5月20日に緊急承認を盛り込んだ改正医薬品医療機器等法が公布され、同日に厚生労働省から「緊急承認制度における承認審査の考え方について」という通知が発出されたことを踏まえ、緊急承認制度の概要を日米欧の迅速承認、早期条件付き承認制度と比較した和文総説を執筆した。正確には承認とは異なる米国のEmergency Use Authorizationも含めて調査した。また、日本における条件付き承認品目、特例承認品目の具体例についても調査し、総説内で発表した。さらに、単群試験結果に基づいて迅速承認取得された抗癌剤が毒性等の問題で市販後の比較試験で既存の標準治療と比較した優越性が示されないという案件が目立ち始めたことを受けて、米国において、2023年3月にFDAが、"Clinical Trial Considerations to Support Accelerated Approval of Oncology Therapeutics"というタイトルのドラフトガイダンスを発出した。このドラフトガイダンスは単群試験結果のみに基づく迅速承認についてこれまでよりも保守的な運用をしていくという方針を示唆している。 コロナ禍によりさらに本研究期間を1年間延長することとしたため、これらの日米の環境の変化も踏まえた上でさらに研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により成果報告のとりまとめを次年度とする形で計画変更した以外は順調に研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
日本及び欧米における癌領域の品目の解析を継続し、成果としてとりまとめ、国際学会での発表、論文執筆を実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、海外学会発表の一部を次年度に延期したため。
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