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2020 年度 実績報告書

薬物誘発性腎線維化に対する治療法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 18K06783
研究機関京都大学

研究代表者

中川 俊作  京都大学, 医学研究科, 助教 (50721916)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード薬剤性腎障害 / シスプラチン / アリストロキア酸
研究実績の概要

薬物による腎障害は、一時的に腎機能を低下させるだけでなく、慢性的な腎機能低下につながることがある。また、薬剤による腎機能の低下は、治療に必要とする薬剤の選択肢を狭めるため、腎障害を事後に解消するような方策の開発が重要と考えられる。申請者はこれまでの研究から、抗がん薬であるシスプラチンが慢性腎臓病を惹起することを明らかにした。また、シスプラチンによる慢性的な腎機能低下は尿細管間質における線維芽細胞が主に関与することを示した。そこで本研究では、薬剤によって惹起された腎線維化の治療方法提示を最終目標とし、検討を行った。初めに、腎線維化に関連する遺伝子を抽出することを目的として、ヒト及び動物モデルにおける遺伝子発現情報を公開データベースより収集し、ヒト及び動物モデルに共通して線維化と関連する遺伝子を同定した。続いて、注目した遺伝子が薬物誘発性の線維化進展過程においても発現が変動するかどうかを検討した。その結果、注目した遺伝子は複数の動物モデルにおいて発現が亢進することを確認した。特に重要な点として、この遺伝子及びタンパク質の発現亢進は、腎線維化マーカー分子の発現亢進に先行して観察されることを見出した。また、この遺伝子は尿細管上皮細胞において発現することが確認されたことから、薬物誘発性の腎線維化において尿細管と線維芽細胞の相互作用が示唆された。さらに、遺伝子ノックダウンにより尿細管上皮細胞における対象遺伝子の発現を抑制したところ、尿細管上皮細胞におけるサイトカインや細胞外基質の発現量が低下した。従って、この遺伝子は腎線維化抑制にあたって治療標的となることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Association of proton pump inhibitors and concomitant drugs with risk of acute kidney injury: a nested case-control study.2021

    • 著者名/発表者名
      Ikuta K, Nakagawa S, Momo K, Yonezawa A, Itohara K, Sato Y, Imai S, Nakagawa T, Matsubara K
    • 雑誌名

      BMJ Open

      巻: 11 ページ: e041543

    • DOI

      10.1136/bmjopen-2020-041543.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Cisplatin, rather than oxaliplatin, increases paracellular permeability of LLC-PK1 cells via activating protein kinase C.2020

    • 著者名/発表者名
      Zhang Y, Yonezawa A, Nakagawa S, Imai S, Denda M, Omura T, Nakagawa T, Matsubara K
    • 雑誌名

      Drug Metab Pharmacokinet

      巻: 35 ページ: 111-116

    • DOI

      10.1016/j.dmpk.2019.09.001.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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