薬物による腎障害は、一時的に腎機能を低下させるだけでなく、慢性的な腎機能低下につながることがある。また、腎機能の低下は、治療に必要とする薬剤の選択肢を狭めるため、腎障害を事後に解消するような方策の開発が重要と考えられる。本研究では、薬剤によって惹起された腎線維化の治療方法提示を最終目標とし、検討を行った。初めに、ヒト及び動物モデルにおける遺伝子発現情報を公開データベースより収集し、ヒト及び動物モデルに共通して線維化と関連する遺伝子を同定した。続いて、注目した遺伝子は複数の動物モデルにおいて発現が亢進することを確認した。従って、この遺伝子は腎線維化抑制にあたって治療標的となることが示唆された。
|