研究課題
がん微小環境で生じる抗がん剤耐性機序を解明することを目的に研究を行っている。抗がん剤や耐性の機序については、多岐にわたるが、がん幹細胞に着目している。がん幹細胞とは、腫瘍組織中に存在する自己複製能、多分化能を有する未分化な細胞分画であり、腫瘍組織を構成する細胞階層の頂点に存在すると考えられている。がん幹細胞は、抗がん剤に対し治療抵抗性を示す可能性が高く、腫瘍の悪性度を決定づける要因の1つと考えられている。 プレート表面を特殊加工して細胞が接着しない条件で培養すると、腫瘍細胞のほとんどは死滅するが、がん幹細胞様形質を有する一部の細胞はsphereを形成することから、がん幹細胞様のモデルとして有用である。このモデルを用い、がん幹細胞様の発現分子をmatrix metallopeptidaseに着目し調べたところ、MMP(matrix metallopeptidase)-1、MMP-10、MMP-12、MMP23Bの発現亢進が認められた。一方、MMP15、MMP24は発現は低下していた。今後、がん微小環境におけるMMPの発現変動が、がん幹細胞形質にどのように関わりも持つのか詳細に解析したい。
2: おおむね順調に進展している
プレート表面を特殊加工して細胞が接着できない条件でがん細胞を培養すると、spereを形成することから、がん幹細胞のモデルとして使用されている。このモデルを用いて解析を行っている。
がん幹細胞モデルを用いて、抗がん剤耐性機序の解析を実施する。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件)
Intern Med.
巻: 60 ページ: 423-429
10.2169/internalmedicine.5317-20
J Clin Lab Anal
巻: 35 ページ: e23661
10.1002/jcla.23661.
Pharm Res
巻: 37 ページ: 143
10.1007/s11095-020-02875-z
Pharmazie
巻: 75 ページ: 599-601
10.1691/ph.2020.0731
ジェネリック研究
巻: 14 ページ: 25-33