ナショナルレセプトデータベース(NDB)を用いて,経皮的冠動脈形成術(PCI)施行患者における周術期スタチン使用と術後の心血管イベントとの関連を評価することを目的とした.狭心症等を原疾患としてPCIを受けた患者を対象とし,術前7日以内にスタチン処方の記録がある患者を曝露群,術前7日以内にスタチン処方の記録がない患者を非曝露群として術後虚血性心疾患(IHD)発症,術後死亡等の発生率を比較した.その結果,曝露群において,狭心症患者では術後のIHDの発症リスクの低下が認められ,心筋梗塞患者では死亡率の低下が認められた.以上から,PCI施行前のスタチン投与は患者の予後の向上に有益であると考えられた.
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