研究実績の概要 |
機能性薄膜を用いた新規電気刺激応答型薬物放出デバイスの開発のために、ナフィオンやデンドリマーを用いた交互累積膜に色素を取り込み、放出を行った(Yoshida, K.;et.al.Polymers 10(8) 812 - 812 2018,Yoshida, K.;et.al. Polymers 12(8) 1854 - 1854 2020)。一方、電気泳動及び電気浸透などの影響のみでは顕著な薬物放出は困難であった。そこで、色素やヘミンなど異なるアプローチにて薄膜の分解を試みた(Yoshida, K.;et.al. Polymers 2020, 12(2), 319)。申請者はフェニルボロン酸の酸化に注目した。フェニルボロン酸のB-C結合は過酸化水素の酸化により切断されることが報告されている。特定のフェニルボロン酸を用いれば電気信号による酸化においてもB-C結合が切断することが可能である(Oide, Y.; et.al. Colloid and Polymer Science 296 1573 - 1580)。この反応機序にて薄膜を分解し、機能性薄膜を用いた新規電気刺激応答型薬物放出デバイスの基礎研究を2020年度にて行っている。電気化学的に薄膜の分解、薬物-薄膜の吸着する相互作用をPBAのジオール結合と電気化学的C-B結合を切断するなど様々なアプローチにより電気刺激応答型の薬物放出デバイスになりうると考えている。
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