神経損傷および損傷後の再生に関するこれまでの研究は、圧迫損傷や切断に関するものが多く、さらに重度の傷害である神経欠損についての報告は少ない。そこで本研究では、ラットの舌下神経を対象とした神経切除実験を行い、神経切除(欠損)後のニューロンの細胞死や舌内への神経線維の再生(舌下神経は舌筋を支配する運動神経である)について、損傷の程度(欠損の長さ)を変えてその影響を調べる実験を行った。その結果、神経切除後のニューロン生存率は切除幅と負の相関関係があること、神経切除後のニューロン細胞死は徐々に進行することが明らかとなった。また、神経切除後に舌内への神経線維の自然再生が起こる可能性が示唆された。
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