身体に一定量しかない血液は必要な時必要とする器官にあたかも水道の蛇口を捻るように神経性に血管径を変えて速やかにやりくりされるが、その神経活動を調節する脳内の仕組みはまだ解明されていない。本研究では、脳で統合された情報の出口である延髄に着目し、微量のアミノ酸・L-システインで化学刺激して、全身の血管に分布する交感神経および頭部血管への副交感神経を調節する反応部位を詳細に調べ、血流再配分の解明を目指した。その結果、1)交感神経による筋血流と頭部血流の反応部位が状況依存的に異なること、2)頭部血管を拡張する副交感神経の起始部が従来の上および下唾液核より広く分布することを明らかにした。
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