研究実績の概要 |
心不全患者には洞不全症候群および心房細動などのリズム異常を合併することが多い。そのメカニズムとして、洞結節細胞の線維化およびリモデリングの関与が推測されている。しかし、いまだそのメカニズムの詳細は解明されていない。一方、心房細動の原因の一つとして、心房心筋の線維化が関与していることが報告されており、広く受け入れられている。心不全患者では線維化が進行することで心房細動が起こり、さらに心房細動が心房収縮力の低下などから心不全を引き起こすという悪循環が生じており、一度これを解除することで予後の改善が期待できると想定した。我々はこのことを証明する目的で、①実臨床における心不全合併心房細動患者に対してカテーテルアブレーション治療を行った際の予後改善効果について検討を行い、心不全合併心房細動患者に対するカテーテルアブレーションは再入院を抑制できることを示した。 Fukui A, Shinohara T, et al.Catheter ablation of atrial fibrillation reduces heart failure rehospitalization in patients with heart failure with preserved ejection fraction.J Cardiovasc Electrophysiol. 2020 Mar;31(3):682-688. さらに、洞結節機能障害のメカニズムを解明する目的で、②血糖変動が及ぼす影響を糖尿マウスを使用して実験を行い、過度な血糖変動が洞結節機能低下を引き起こすことを証明し、2020年7月に介された第84回日本循環器学会学術集会において下記演題名で報告した。 Repeating glucose fluctuations impair morphological and functional integrity of sinus node in diabetic mice.
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