研究課題/領域番号 |
18K06864
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
沼田 朋大 福岡大学, 医学部, 講師 (20455223)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 細胞容積調節 |
研究実績の概要 |
・肝臓単離細胞におけるHICCの機能解析・・・HICCは、ヒト初代培養肝細胞での機能的発現とRVIへの関与が確認されている[Li et al.2005 FEBS Lett]。まずマウス肝組織のTRPM2のmRNAの発現をRT-PCR法で確かめた。次に、マウス単離肝細胞におけるTRPM2の高浸透圧を含む活性剤刺激による機能的な発現をパッチクランプ法によって評価した。さらに、TRPM2ノックアウトマウスから単離した肝細胞を用いて、浸透圧感受性やTRPM2活性化因子の電流成分を比較することにより機能的発現を確かめた。HICCの細胞生理学的な役割を調べるために細胞容積調節能や細胞増殖能への関与をコールターカウンターおよびMTT法にて検討した。また、一方でTRPM2に関連して発現する分子の増減をDNAマイクロアレイによって、確認した。 ・肝組織内におけるHICCの役割の検討・・・単離された細胞容積調節能と組織内における細胞容積調節能は、多くの場合、浸透圧の微妙な変化や培地(血液)中の刺激物質の影響があるため、正確な測定が困難である[Macknight Ren Physiol Biochem.1988]。また、組織内での細胞容積を測定することは、組織切片を用いたり、単離することで達成することが多いが、通常のイメージング技術を駆使しても困難であった。ここでは、イメージング技術と計算科学によって肝臓組織におけるin situ細胞容積測定を行った。具体的には、肝小様における二次元切片を毛細単管、類洞胆管、胆管、核で位置決定を行い、これを計算によって位置合わせを行い、重ね合わせることによって三次元組織の像とした。各種位置決定された間の細胞は適切な計算アルゴリズムによって1細胞ごとの情報(細胞容積、細胞接着面積など)が得られた。次に、野生型および遺伝子欠損マウスにおける肝臓の細胞容積について評価を行った。肝障害時における組織内細胞容積評価において、検討を行い、各種パラメーターで変化が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に基づき、計画された実験項目を計画年度内に進めることができたから。
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今後の研究の推進方策 |
2年度までの研究計画内でさらに追加実験項目が見つかったため、3年度にそれらの項目を推進していく。これらの追加項目を行うことは3年度の予備的な実験に繋がり、3年度の研究計画を順調に遂行できる。3年度の中間から、全体的な研究の総括を行い、研究報告を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
第97回日本生理学会大分大会に参加、発表予定であったがCOVID-19の影響により旅費が残った。この費用は、次年度に追加で実験を行う項目に関わる物品費に用いる予定である。
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