卵巣では多くの原始卵胞が休眠状態で存在し、長期間の周期的排卵活動を維持しているが、卵巣組織内における原始卵胞の休眠維持機構、発育誘導機構は明らかにされていない。本研究では卵巣組織内における原始卵胞の発育制御機構を解明するために申請者が開発した卵巣組織培養法を用いて研究を行った。その結果、血管新生に伴う物質供給量の増加によって原始卵胞の発育が促進される事、17β-エストラジオールが原始卵胞の発育を抑制する事が明らかになった。また、生体内においてもVEGFを含んだ生理活性物質徐放剤の移植、エストロゲン受容体のアンタゴニストの投与によって原始卵胞の発育を人為的に促進する手法を確立することができた。
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