本研究では小型の魚類であるゼブラフィッシュで運動神経が筋肉に信号を伝達するつなぎ目である神経筋接合部を用いてそのメカニズムを研究した。ゼブラフィッシュには多数の突然変異体が存在しており、それらは運動にさまざまな異常をきたすが、今回テーマとしたのはそのうちでシナプスでの情報伝達が全く起こらずに体が完全に麻痺している個体であり、その体内でどのような遺伝子変化が起きているかを調べ、その遺伝子の働きを解析した。その過程で、筋肉の中で遅筋だけが神経の入力を受ける動物を世界で初めて作成し、この個体では運動神経が繋ぎ変わる事を明らかにした。この結果は国際誌Science Advancesに発表した。
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