研究課題
アルツハイマー病(AD)の特徴として中核症状である認知機能障害ならびに周辺症状であるうつ・不安症状および攻撃性症状などの精神機能障害が報告されている。申請者はAD治療薬であるメマンチンの新たな作用機序としてATP感受性カリウム(KATP: Kir6.1/Kir6.2)チャネル抑制作用(Kir6.2チャネル抑制作用:認知機能改善効果、Kir6.1チャネル抑制作用:うつ症状改善効果)を発見し(Moriguchi et al., Mol. Psychiatry 2016)、ADの新仮説である「脳糖尿病仮説」について実証した。さらに申請者は、KATPチャネル欠損マウスの行動表現型を検討した結果、Kir6.2チャネル欠損マウスでは認知機能障害ならびに攻撃性症状を示し、一方、Kir6.1チャネル欠損マウスではうつ・不安症状ならびに攻撃性症状を示すことを見出している。本研究では、KATPチャネル欠損マウスの行動表現型に関する脳部位の同定、ならびに細胞内機序について明らかにし、ADの中核・周辺症状におけるKATPチャネルの病態生理学的役割について検討した。本研究では、KATPチャネル欠損マウスの表現型(Kir6.2チャネル欠損マウス:認知機能障害ならびに攻撃性症状、Kir6.1チャネル欠損マウス:うつ・不安症状ならびに攻撃性症状)に関する脳部位の同定、ならびに細胞内機序について明らかにし、ADの中核・周辺症状におけるKATPチャネルの病態生理学的役割について下記の3つの研究課題(研究課題1: Kir6.2欠損マウスにおける認知機能障害の細胞内機序の解析、研究課題2:Kir6.1欠損マウスにおけるうつ・不安症状の細胞内機序の解析、研究課題3: Kir6.1/Kir6.2欠損マウスにおける攻撃性症状の細胞内機序の解析)について検討した。
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