GPR120はDHAやEPAなどのn-3系脂肪酸の受容体である。我々の研究結果は、GPR120機能不全が神経炎症により、運動能力、記憶学習能の低下を引き起こすことを明らかとした。食事中のn-3系脂肪酸を腸管においてGPR120が感知することが、神経炎症を抑え脳保護効果を発揮すると考えられる。また、食事でn-3系脂肪酸を摂取していても、GPR120に機能不全がある場合、腸管でn-3系脂肪酸などが適切に感知できないため、神経炎症反応が起きてしまう可能性がある。ヒトにおいてもGPR120遺伝子の変異が報告されており、その場合n-3系脂肪酸生理活性が十分に発揮できないと考えられる。
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